V1トップリーグ選手が実践する、ハードな毎日を支える睡眠スキル -VC長野トライデンツ 大沢健太郎-

身体と心の健康に必要な、正しい休息のススメ

人口わずか15,600人余の小さな村を本拠地にするトップリーグのクラブをご存知だろうか。男子バレーボールV1のVC長野トライデンツ。大手企業を母体とするチームとは異なり、地元企業からのスポンサードなど地域に支えられて成り立っている。選手たちは昼間フルタイムで勤務し、夜にトレーニングをするハードな毎日。だからこそ、束の間の「睡眠」は何物にも代えられない大切な要素なのではないだろうか――。そんな観点から、奮闘の日々を送る一人の選手に話を聞いた。

大沢健太郎。

福岡県出身で、大学までを地元・福岡で過ごした。VC長野への入団に伴って初めて故郷を離れ、長野県上伊那郡南箕輪村へやってきた。県内では比較的温暖とされる南信地方だが、それでも福岡県に比べれば大きく違う。大沢はこの地で大卒2年目となる2019/20シーズン、22試合に出場。リベロのリザーブとしてコートに送り出され、サーブレシーブ成功率47.4%という数字を残した。
ただ残念ながら、圧倒的に分母が少ない。回数は21。トップリーグに居並ぶアタッカーの強力無比なジャンプサーブやスパイクを受け止めて攻撃の第一歩に繋げなければいけないが、まだ体の線が細い。自らもそれを課題と認識しており、「リベロは足腰の土台がしっかりしなければいけないので、特に下半身を強化するようウエイトトレーニングをしています」と克服へ意欲を燃やしている。

仕事とトレーニングのパフォーマンスを支える「睡眠」

日々のトレーニングの一環として、とりわけ大沢が重要視しているのが「睡眠」だ。朝7時に起床して仕事に向かう。抵抗器の製造をメインとする地元企業・KOA株式会社でインベントリーコントロールグループの一員として勤務している。物流を担う部署。ここでフルタイムの勤務を終えた後、その足でそのまま体育館へ向かう。夜10時ごろにトレーニングが終わり、食事を摂って帰宅すると11時。浴槽に浸かって体を温め、ベッドに向かって0時30分ごろに寝るのが1日の大まかなサイクルだという。

「ほとんど家にいる時間はないので、睡眠の質だけはしっかりしなければいけないと思って徹底的にこだわっています。風呂に浸かってベッドに入るとぐっすり寝られるけど、シャワーだけだと翌日に疲れが残ってしまうので」と大沢。学生時代からベッドやマットレスなどの寝具は、自分好みの品を厳選して使用している。マットレスは昨年夏ごろにも新調。「好みは人それぞれだけど僕は柔らかいのが好きなので、より低反発のものを選びました。今までよりも、起きたときに体が軽い感じがします」と、日々のパフォーマンス向上を実感している。

だからこそ、なのかもしれない。ハードなサイクルに心身ともに慣れ、サーブレシーブの受数がわずか2だった1年目に比べて飛躍的に出場機会は増加。徐々にではあるものの、国内最高峰のコートに立てるチャンスが広がってきた。「最初は慣れない仕事で緊張したしクタクタになるのが当たり前で、その後に練習。チームの環境にも慣れていなくて、正直『ヤバいな…』と感じていました」と明かす。

睡眠の質がモチベーションと結果を向上させた

しかし睡眠の質にこだわりを持ち続けてきたのも手伝い、今では「自由時間をバレーに充てている感覚で、V1で勝ちたい気持ちも芽生えてきました。練習がストレス発散の場だし、今は勝つために練習場に早く来たいと思っています」と、前向きな姿勢で日々のトレーニングに打ち込めるようになった。

チームはV1で2年目の2019/20シーズン、通算3勝24敗で2年連続の最下位。ヴォレアス北海道と激突するはずだったV2との入替戦が新型コロナウイルスの影響で中止となったのに伴ってV1残留――という、やや歯切れの悪い結末を迎えた。とはいえ来季もV1で戦う以上は、この舞台でより多くの白星を積み上げなければならない。チームとしても、結果にこだわるシーズンとなる。

チームの中での役割と自己の成長を意識して

そのためにはまず、自身の成長が必須だ。「たくさんレシーブを上げて攻撃の第一歩となり、試合のMVPも取れるようになりたいです」と大沢。目標とするのは全日本のリベロでもある山本智大(堺ブレイザーズ)で、「ポジション取りがすごくて、世界でもトップレベルの嗅覚があると思います」と憧れを抱く。とはいえチーム内競争に勝つ必要があり、くしくも同姓のチームメイト・山本憲吾に対して「まずはウチの山本を超えられるようにしないといけませんね」と話す。

そもそもリベロはバレーボールの中でも、サーブやスパイクのレシーブを専門とする特殊なポジション。チームの中でリベロだけユニフォームの色が違うため目立ちはするものの、アタッカーのような華やかさはない。大沢の胸中にも「(アタッカーが)羨ましい」という思いが頭をよぎることもあるが、この仕事には確固たるプライドを持っている。

「リベロは地味だけどチームに欠かせないもの。睡眠も同じで、1日の中の表立った活動じゃないけど絶対に必要。睡眠がとれないと身体が動かないし、バレーの質も落ちてしまいます」

質の良い睡眠を確保して、思う存分トレーニングと仕事に汗を流し、そしてトップリーグのコートでチームの勝利を下支えする――。そんなオンリーワンの存在になれるよう、鍛錬の日々は続いていく。

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