眠りを味方につけ、過酷な状況を戦い抜く。世界選手権で戦うプロライダーに聞く「睡眠の重要性」

身体と心の健康に必要な、正しい休息のススメ

7月、夏の三重県鈴鹿サーキット。
気温37℃を超える、路面温度70℃以上。そんな過酷な中で、2~3人のライダーが交代で8時間走り続ける世界大会「鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下8耐)」バイクで競技をすることは常に転倒と隣り合わせであり、転倒は「怪我」そして「死」の恐怖との戦いです。また、安全のため革ツナギを着用しており、体温は40℃を超えた状態でライダーは心身ともに極限状態で戦い続けます。

そんな過酷な状態で戦い続けるライダーは、きちんと休息が取れるのか。また、どうやって休息を取っているのか。1991年より8耐に参戦し続けており、今季は活動拠点にしている長野県のレーシングチーム『信州活性プロジェクトTeam長野』に所属するイケメンライダー、東村伊佐三選手にお話をお伺いしました。


過酷な状況での戦いを乗り切るコツは、「ショートスリープ」だった

-本日はよろしくお願いいたします。8耐では、ライダーが数人で交代しながらレースを走られているとのことですが、交代の間はどのようなケアをされているのでしょうか?

昔は点滴で栄養剤を打ったりしていましたが、今はそれがドーピングに当たるために禁止されました。今は整体などの体のケアで体を回復させるのが主流ですが、僕はライダー交代の間で睡眠をとって回復するようにしています。
睡眠するかしないかで、次の交代でコンディションを上げられるかに関わってきますね。寝られないときは、目をつぶって寝ているか寝ていないかわからない状態で無心になって、リラックスできるようにします。それが自分の中での回復に繋がりますね。
バイクレースは、走り出すとものすごく集中力が必要になりますが、集中すればするほど、バイクを降りたあとにすごく睡魔がくるんです。
なので、若い頃はレース前も寝ていましたね(笑)
チームの人には言われましたね「普通の人は決勝前は緊張して寝ている場合じゃなくなるのに、お前よく寝られるな」と(笑)。
でも決勝前に睡眠を取ると、体がリフレッシュされて、目が覚めたときにはスッキリします。10分、15分の短い間でウトウトするかなー?というくらいの睡眠を取る。そうすると、集中力もアップします。疲労でぼんやりしていた感覚がなくなります。
なので、10分だけでも寝る時間を意識的に作っています。

-なるほど、レース前やレースの合間のショートスリープが自分の中のスイッチになっているんですね。でも精神的に緊張している時によく寝られますね。

本当だったら、ライダーは出走する前に集中する時間を作るんですが、僕にとってはその時間がショートスリープなんです。話を聞くと故・加藤大治郎選手(日本のトップライダー。元MotoGPライダー。)もよく寝ていたらしいですよ。戻ってきてバイクの状態について話し合っている間に、気づいたら寝ちゃうとか(笑)普通は興奮状態で戻ってくるから寝られないんですけれどね。
ある意味、人とは違うものを持っているのかもしれません、僕たち。
じつは8耐は、レースだけではなくレースが始まる前から練習走行などがあり、決勝当日までに疲労が蓄積されて、疲れてしまいます。でも決勝日をベストな状態にもっていかないといけないので、決勝に向けて帳尻を合わせていかないといけないんです。
なのでレースウイークじゃないところも含め就寝時間を早めたり質の良い睡眠を心がけています。
寝るのは大事ですよね。栄養摂取に匹敵するくらいの効果があると思っています。

どんな環境下でも睡眠を取れるのは、個の能力? 眠れる「強み」

-普段の生活ではどのくらい睡眠をとっていますか?

今は子供も小さいので、一緒に21時前には寝るようにしていますが、正直3時くらいに一度目が覚めてしまうことがあります(笑)
ですが、日中の行動に差し支えるので4時、5時まで眠るようにしています。
僕がこの年代まで現役でいられるのは、きちんと睡眠と休息をとっているからだと思っています。

-ちなみに、レース期間などビジネスホテルに宿泊されますが、きちんと寝られますか?環境が変わってしまうと寝られない、という人も多いと聞きますが。

僕は寝られますね(笑)ただ、いつもより眠りが浅い感覚はあります。

-そこはある意味東村さんの強みかもしれませんね。

僕はある意味寝ることが特技だと思います(笑)どこでも寝られるのは、その人の能力です。スポーツ選手やアスリートのメンタル的な強さとして「どこへいっても寝られる」のは技術の一つになるのかな?と思います。

-なるほど、寝て休息をとることも一つの技術ですね。

そうですね、睡眠がうまくとれるようにしておかないとパフォーマンスが上げられないので。

-今はそういった技術を手に入れられたということですが、若い頃は緊張で眠れないなどの苦労はありませんでしたか?

ありましたね。でも、どちらかというと緊張して食が細くなってしまう感じでした。決勝1週間前くらいから。
緊張すると疲れますよね。緊張して眠れない、食べられない。緊張することは自分のパフォーマンスを自ら下げていることになる。
でもある頃からメンタル的にコントロールできるようになったんですよ。ここは食べなきゃいけない、眠らなきゃいけないって。平常心を保てるようなメンタルコントロールが。

メンタルの強さが走りを強くする

-平常心を保つようなメンタルコントロールができるようになったんですか?特にメンタルケアをしたとかないんですか?

特になにもしていないですね。経験を積み重ねた過程でコントロールできるようになりました。
レースには転倒の恐怖があるんです。ここのカーブで転ぶんじゃないか?という恐怖が。それを克服していかないと、恐怖でスピードを出すことができずタイムが遅くなってしまうんです。
「そうじゃないんだ!もうちょっと攻めないといけないんだ!さっきは転んだ理由があっただけだ」、と自分に暗示をかけて恐怖を克服しています。
だからメンタル的に自分をコントロールできるようになってきたのかもしれません。
結果、僕はそれができたから、今でも現役をやっていられるんです。

-レースの話しに戻りますが、レースは体力もですが、精神面も消耗しませんか?

いやー憔悴しますね。ぐったりです、正直に言って。
レースに限らず、テスト走行でもそうですね。速いタイムを出さないといけないようなテストをするときはものすごく集中しますから。
8耐のあともそうですが、消耗したときは睡眠をしっかりとったり、自分が安らげるような時間を意識的にとっています。食事も好きなものを食べますね。とにかくホッとしたい。レース後の張り詰めた気持ちを忘れることが自分の回復になりますね。気持ちの面も、体の面も。

-なるほど、精神的にオン・オフの切り替えが自動的にできているんですね。それは先程もお話されたように、経験があるからこそかもしれませんね。

あとは先程もお話しましたが、若いときは緊張で食が細くなったりということもありました。それって、常に緊張しているから自分の中のスイッチがONになって、自分のエネルギーが漏電している状態なんですね。
本当だったら、レーススケジュールが始まってからONにならないといけないのに。
スケジュールに合わせて、ちゃんとON・OFFコントロールして、パワーが漏電しないように、きっちり切り替えられるように意識はできるようになりましたね。
いい意味で緊張を忘れる技術、ある意味馬鹿になる技術ですね。意識的に馬鹿になれないといけない(笑)
緊張をあまりしないようにするのも、自分のメンタルコントロールですね。

現役であり続ける工夫。サプリメントも味方につけ、万全な状態に。


2016年鈴鹿8時間耐久ロードレース SSTクラス 優勝

-なるほど、過酷なレースに出て、現役を続けていられるイコール、メンタルの強さなんですね。年齢的にキャリアを重ねたことで、工夫していることはありますか?

去年は膝の怪我でトレーニング量が少なく、持久力に不安を感じたため、サプリメントを摂りながら、質の高いトレーニングを目指しました。効率のよいトレーニングを行うことも、現役を長く続ける上で重要ですね。自分たちの年代で、現役を長く続けたい、もっともっと続けたいと考える人間は自分の体力をどう維持していくかが課題かと思います。
日々のトレーニングなどでも感じますが、明らかに若い時と比べてトレーニングに辛さを感じてきています。
そういったときに、サプリメントなどに頼ることがあります。

-なるほど、工夫が必要になってくる年代ってあるんですね。年齢的に落ちてしまったパフォーマンスや、本来トレーニングで強化する部分をサプリメントで補助的に補うなどの工夫が。

そうですね、足りないものをうまく補っていくことが重要になってきます。
8耐は、レースが始まってしまうと自分で「辛い」と思ってもペースを下げられません。チームにも迷惑にもなるし。出場するからには、責任を持って挑みたいですし。
ですので、トレーニング+サプリメントで、より目に見えないところで万全を期したいという思いがあります。そういった面が発達している現在は、スポーツ選手やアスリートが恵まれた時代になりつつあるのかなって思います。

-ありがとうございました。これからも活躍を期待しています。

はい!ありがとうございました!

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