2017年11月11日 プリッツの気持ち

ある日のこと。

私、プリッツは、

突然グリコ本社に呼び出されました。

思い当たる節がないわけではありません。

去年の11月11日の、ホームページの件でしょう。

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「ポッキー&プリッツの日」とグリコ公式でかかげつつ、

実際はポッキーのほうばかりに力を入れ、

私がないがしろにされている現状を、

夜中のテンションとお酒の力にまかせて

赤裸々に告白してしまい、

それが思いのほか拡散されてしまいました。

SNSって、怖い・・・。

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その中で、

「私がグリコ批判をした」

とも取れる箇所もあり、

処分されるのも致し方ありません。

考えられる最悪のケースは、

「終売」

でしょうか。

つらい・・・。

せめて、

怒りのあまりコーヒーをぶっかけられて、

数日間「プリッツ コーヒーサラダ味」として自宅謹慎、

くらいの処分で許して頂けないでしょうか・・・。

不安な気持ちで、恐る恐る会議室のドアを開けた私。

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しかし、そこに待っていたのは、

罵声でも、処分でもなく、

グリコの人たちの笑顔でした。

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・・・え?

拍子抜けしながら

打ち合わせのテーブルについた私。

目の前に用意されたのは、

ぶっかけられる用ではなく、

普通に飲むためのコーヒー。

しかも、おいしい・・・。

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「ご足労いただき、ありがとうございます。

去年のホームページを拝読し、

あなたの気持ちが良くわかりました。

たしかに、グリコとしても、

“ポッキーのほうに力を入れていた”

と捉えられても仕方ない点が

多々ありました。

今年は、そのお詫びの意も込めて、

グリコ公式でプリッツを盛り上げたい。

ポッキー&プリッツの日に、

ちゃんとプリッツも手に取ってもらえるよう

サポートさせてください。」

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え?

サポートさせてください?

「はい、サポートさせてください。全力で。」

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う、

う、

うれしい・・・。

この日をどれだけ待ちわびたことか。

私の積年の思いが、ついに届いた瞬間です。

「我々グリコも、

全社をあげて秘策を考えました。

こちらをご覧ください!」

自信満々で見せられたものは、

一つのパッケージでした。

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・・・ん?

・・・何かが変だぞ?

「渾身のリニューアルです!!」

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・・・ポッキーじゃないほう?

「小よく、大を制する。

これは、合気道的アプローチです!

今年の“11月11日ポッキー&プリッツの日”も、

結局、世の中的にはポッキー1色になるでしょう。

しかし、嘆くことはありません。

強大化したポッキーの懐に、

このパッケージで入り込むのです。

プリッツが、

まるで自分もポッキーの一員であるかのように

涼しい顔をして店頭に並び、

しれっと、しかし、確実に、

みなさんの手に取られていくのです!

その結果として、

プリッツ史上最高の売り上げを叩き出すのです!!!」

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・・・なるほど。

・・・ポッキーじゃないほう。

・・・なるほど。

・・・ポッキーじゃないほう。

・・・なるほど。

・・・ポッキーじゃないほう?

・・・プリッツはいずこへ?

・・・私の名は?

・・・君の名は?

・・・私は誰?

・・・ここはどこ?

名前という唯一無二のアイデンティティーを

喪失する危機に直面し、

軽く意識が遠のいていく私。

親が、愛を込めて付けてくれた

私の大切な名前・・・

冗談じゃない。

なんで私が、

なんで、ポッキーよりも3歳先輩の私が、

「ポッキーじゃないほう」

とか呼ばれなきゃならないのだ。

今年はプリッツに協力したい?

結局、口だけじゃないですか。

結局、盛り上げたいのはポッキーのほうですよね?

事実、ポッキーは今年から、

三代目J Soul Brothers全員集合じゃないですか。

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なにこのリア充感。

いいですよね、ポッキーは。

予算があって。

それこそ、全力でサポートしてもらってますよね。

で、私のほうは、

「ポッキーじゃないほう」パッケージですか。

なにこの格差(笑)

イヤです。

絶対にイヤです。

「お断りします。失礼します。」

会議室を出て行こうとした、そのときでした。

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「いま、全国の“じゃないほう”に勇気を与えられるのは、

プリッツさん、あなたしかいないと思うんですよ。」

・・・ “じゃないほう”に、勇気?

「最近では、“じゃないほう芸人”という言葉もありますが、

世の中、みんながみんな、

自分が思った通りに目立てるわけではありません。

自分に光が当たらなくて、

くすぶるときだってあります。

誰かの“じゃないほう”になることだってありますよ、

人生、長いのですから。

でも、がんばっていれば、必ず、

“じゃないほう”にも光が当たる。

その証明を

プリッツさん、あなたがするのです。

このキャンペーンを成功させて、

“じゃないほう”の希望となるのです。

あなたには全国に、たくさんの兄弟がいるのです。

そう、じゃないほうブラザーズたちが。」

・・・“じゃないほう”の、希望。

・・・私が、その証明。

「やりましょう。

いや、やらせてください。」

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・・・とは言ってみたものの。

電車の窓にうつる

新しい姿を見つめながら

私は自分が下した決断について、

自問自答を繰り返しました。

・・・ていうか、やっぱダサくないか、これ。

ポッキーじゃないほう、って。

ここまで私も、

プリッツとして頑張ってきたんだけどな。

ただ・・・

“じゃないほう”の希望になるというのは、

ちょっといい(笑)

私だって、このままで終わるつもりはないさ。

必ず、誇り高きプリッツを取り戻してみせる。

今はあえて、

ポッキーの陰に隠れているだけだ。

そう、1位の後ろにピタリとついて機をうかがう

長距離ランナーのように。

ここからの私を見ていてほしい。

“じゃないほう”が追い越す瞬間を。

“じゃないほう”の希望となる瞬間を。

さぁ、共に立ち上がろう!

全国のじゃないほうブラザーズたちよ!!!

・・・ダメだ。

・・・おまえ誰だよ感、はんぱない。

・・・そもそも、ポッキー抜ける気しない。

そのとき、私の脳裏に、

あの方の顔がよぎりました。

・・・そうだ、恭子さんの意見を聞きに行こう。

迷ったときは、恭子さんだ。

適切なアドバイスをくれるはず。

私は、先日のコミケで頂いたお名刺を頼りに、

急いで、恭子さんの元へと向かいました。

「ごめんください。プリッツです。」

呼び鈴を押すと、

出迎えてくれたのは妹の美香さんでした。

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「いま、姉はシャワーを浴びてまして。

どうぞ、中でお待ちください。

それにしても、

どうしたんですか、そのお姿?」

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「色々ありまして、

改名することになりました。

今日から私は、

プリッツ、ではなく

ポッキーじゃないほう、として

生きていくことになりました。

でも、正直、

まだ迷いもあって・・・。」

「そうでしたか。

それで姉のところに。」

「そうなんです。

ぶっちゃけ、どうですか?

新しい私は?」

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「フフフ、そんなに心配なさらなくても笑

相変わらず、とってもグッドルッキングですよ。」

・・・とってもグッドルッキング。

美香さんからの

身にあまる、ありがたきお言葉に、

心がとろけそうになった、その時でした。

「あなたは、それでいいの?」

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シャワーを終えた恭子さんが、

神々しいお姿で現れました。

「もちろん、まだ迷いはあります。

これで良かったんだろうか、と。

でも、もう担当者と約束しましたし、

なにより、

全国の“じゃないほう”の希望になるという

重大なミッションがあるのです。」

すると、恭子さんは

「他人様のことを大切に想うあなたの姿勢は、

とても素晴らしいことです。

でも・・・」

と、私をおもむろに抱き上げ

優しく、諭すように言いました。

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「あなた自身が

心からそう望まない限り、

ときにははっきり、

断固たる態度で

“ノー”を伝える。

それも立派な

“愛” と “誠意” であることは

真実なのです。」

・・・“ノー”を伝えることも、“愛”と“誠意”

そして、恭子さんは、

私の目を見つめながら言いました。

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「あなたの名は?」

・・・プリッツです。

「もう一度。

あなたの名は?」

・・・プリッツです!!

「ファビュラスだわ。」

自分の名を

はっきりと答えた私の頬を、

熱い涙が伝っていきました。

「わたくしたち、プリッツ大好きよ。

ねぇ、美香さん?」

「はい!」

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私は、走りました。

全力で、グリコ本社に向かって走りました。

涙の塩味をそこら中に振りまきながら走りました。

私は間違っていた。

私はプリッツだ。

決して、ポッキーじゃないほう、じゃない。

私は、プリッツなのだ。

プリッツとして

正々堂々勝負して、

その味と、その食感で、

プリッツを愛してくれるみなさんの期待に

応える使命があるんだ。

一時は気の迷いで、

提案を受け入れてしまった。

そうすれば、グリコ的にも満足だし、

自分だけがガマンすれば

全てが丸く収まると思ってしまった。

でも、そんなの、良いわけがない。

完全に間違っていた。

すぐにでも撤回しなければ。

私は、グリコ本社の階段を駆け上り、

廊下を駆け抜け、

担当者をつかまえて

懇願しました。

「すみません!

ポッキーじゃないほう、の件

やっぱりお断りさせてください!!!」

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「そうですか、わかりました。

ただ、

すでに工場が動いちゃっているんですよね・・・」

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・・・つらい。

#プリッツがんばれ

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先走って生産してしまった“じゃないほうパッケージ”ですが、

本日11/11、 全国11箇所に・・・・・(涙)

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