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神戸でアニメの志を、強火に。
竹内 直行 ポーランドから来日したマテウシュさんにとって、神戸の街はどんな風に見えましたか?
Mateusz urbanowicz 僕が最初に日本に来たのは、観光で東京や京都に行ったとき。
それから、日本の大学でアニメーションを学びたいと思って、3校くらいに自分の資料を送ったんですが、神戸の大学だけOKの返事がきたんです。偶然の縁ですよね(笑)。
竹内 直行 そうなんですね。実際に神戸に住んでみてどうでしたか?
Mateusz urbanowicz “コンパクトで面白い街”だと思いました。海や山が近くにある環境って初めてで、歩いたり友達からもらった自転車でいろいろ探検しました。神戸出身の人でも、そんなに探検することあるのかってぐらいね(笑)。
竹内さんみたいに、いい景色を見つけたらデジカメでパシャパシャ写真撮って。そんなことを続けていたら、神戸の街で、写真のライブラリがいっぱいになっちゃって(笑)。今でもそのデータは、いい背景を探すときに資料として活用しているし、最初に住んだ場所が神戸って、場所としてすごよかったと思っています。

竹内 直行 カメラをメモがわりに使うんですよね、わかります(笑)。シャッターを押すということは、その時々のインスピレーションが残るんですよね。
神戸にいた頃に、街のイラストを描いたことはあるんですか?
Mateusz urbanowicz 神戸に住み始めた時は、日本のマンガやアニメに夢中になっていた時期だったので、将来もそっちの方向に進みたいと考えていました。キャラクターが描きたかったし、背景は単に背景だとしか思っていなかったんです。
でも日本に住んでいてだんだん、周りの景色や建物に興味がわいてきて面白いなと感じるようになりました。
でも、神戸といえばポートタワーのようなみんなが撮る観光写真ではなくて、ゴミ箱や公衆電話、駅の改札口なんかが面白くて、写真を撮ったり、スケッチをしたりして(笑)。
大学の卒業制作ではアニメを作りましたが、キャラクターじゃなくて、背景を褒められました(笑)。
神戸で撮った写真を背景の参考にしていたから、須磨海岸や神戸の駅を描いていたり。それが、私の今の作品作りにも生きているように思います。
