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景色の中から、
色味を抽出します。
竹内 直行 「Kobe INK物語」のストーリーを1色ずつ語ろうと思ったら、ホントにねぇ、3日ぐらいかかっちゃうんです(笑)。
Mateusz urbanowicz中でも、一番想い入れのある色は、何色なんですか?
竹内 直行 この商品のきっかけになったのは、実は「明石海峡大橋の夕焼け」なんですよ。私は三ノ宮から電車で30分くらいのところにある舞子に、長らく住まいを構えているのですが、震災に遭ったとき、1ヶ月ちょっと電車が運休してしまって。

Mateusz urbanowicz当時は、大変な状況だったんですよね?
竹内 直行 はい。しばらく子どもに買ってやったばかりのマウンテンバイクを借りて通勤していました。夕陽が沈むまでに帰らないと道がわからなくなってしまうので、夕陽をめざしていつも走っていて。街は見るも無惨になってしまったけれども、夕陽だけは変わらず、というか、いつも以上にきれいに見えたんです。
Mateusz urbanowicz その夕陽の色がインクになっているんですか?
竹内 直行 25番の「垂水アプリコット」です。本当は一番に出したかったんですけど、まだ明石海峡大橋が復旧していなかったということもあってね。その頃見た夕陽の写真は、お守りがわりに今でも肌身離さず持っています。

Mateusz urbanowicz 「垂水アプリコット」ですか!いい色ですよね。
でも使い方によっては思った通りの色になってくれなかった(笑)。すごい色だなと思いました。
竹内 直行 一番変わった色で、面白い色でもあるんですよ。インクは全部ね、性格が違うんです。人間みたいでしょ(笑)。
